コラム 2020.11.09

コロナで値上がり続けた金に注目!これから期待できる金貨銀貨投資

投資と聞くと、株式や債券、投資信託、FXなどを思い浮かべる方が多いことでしょう。こうした投資では、なかなか儲かっていない方も多いのは事実なのかもしれません。2020年はコロナショックもあり、なかなか至難の年となりました。

とはいえ、コロナショックによる株価下落に目をつぶることができた方は、その後元に戻したこともあり、中長期投資によるじっくりとした資産形成なら冷静さを保つことができれば、大きな損失には至らなかったとも言えます。

ただし、株式などの場合、大きく下落していく状況を見ると、なかなか気持ち的に冷静さを保つことも難しくなります。こうした大きな下落時にも何かリスクヘッジで対応できるものはないものか?いろいろ考えられる中で、是非金貨や銀貨などにも目を注目していただきたい。そう思い、本稿を執筆するに至りました。金銀貨投資とはいったいどのように行うのでしょうか?

貴金属価格に注目

まず、金貨や銀貨はそもそも貴金属であり、貴金属価格にも影響を受ける点を知っておきましょう。有事の金とも言われるように、金は何かあった場合の備えとして有効と言われています。コロナ禍でいったん現金化する動きが見受けられたものの、有事の金買いは今でも生きており、金価格は上昇しました。

金価格の上昇につられ、銀価格も上昇しました。こうした動きは、現物の金や銀だけではなく、金貨や銀貨の価格にも反映されていきます。そのため、金貨や銀貨に注目されるにはよい時期と言えると思います。

希少性、世界で注目される金貨や銀貨に投資を行う

金貨や銀貨に投資をするメリットは何でしょうか?貴金属そのものを買えば良いのではないか?おっしゃるとおり、単純に貴金属価格に注目されるのであれば、貴金属そのものを買った方が無難ですし、手数料も低いことでしょう。

しかしながら、金や銀を1キロ単位で購入すると持ち運びが大変です。仮にまとまった数量を購入される場合には、保管も考えなければなりません。それに対して、金貨や銀貨は重さの割に価値が高いものもあり、いざというときに持ち運びが便利です。価値が維持または上昇が見込める金貨や銀貨であれば、さらにメリットが大きくなります。

金貨、銀貨に投資する一番のメリットは、貴金属価格以外の部分でも価格が上がる可能性があることです。特に発行枚数が少ないケースや、世界の中で美しいコインとして取り上げられた場合などには一気に価格が上昇するケースが見受けられます。

一つの事例として、イギリス及びその関連地域などで発行されている「ウナとライオン」の金貨、銀貨を挙げておきましょう。2020年5月に某大手コインショップのオークションにて、1839年に発行されたウナとライオン5ポンド、PF65UCAMが出品され、手数料込みで1億円を超える落札価格となりました。状態も良く、ワールドレコードとなり、いま最も注目を浴びている金貨であると言っても過言ではありません。

こんな高い金貨に投資できないよ…。それはそうです。しかしながら、オリジナルの金貨は難しくても、復刻版など新しいウナとライオンの金貨や銀貨が発行されており、こちらであれば比較的投資がしやすくなります。

現在、イギリスをはじめ、イギリス領のオールダニーやジブラルタ、スイスなどにおいてウナとライオン関連の金貨や銀貨が発行され、人気を呼んでいます。特に人気なのが2019年にイギリスで発行された復刻版のウナとライオンです。2020年の8月の海外のオークションにて、ウナとライオンの復刻版の銀貨が、なんとおよそ141万円で落札され、その後、市場ではウナとライオンの銀貨に対する価格が一気に3.5倍程度値上がりしました(状態による)。このウナとライオンの復刻版の銀貨は3,000枚発行されているものの、2020年11月現在では市場に出てくるものはかなり価格が強気なものばかりとなってきています。

筆者も2020年7月に1枚、この復刻版のウナとライオンのPR69DCAMを12万円で入手していましたが、まさか1か月足らずでランクが最上位より下であるにもかかわらず40万円前後で取引されるようになるとは思ってもおらず、現代のコインでも大きく化けることがあるのだと実感した次第です。コロナショックも何も影響していません。

希少性、世界で注目される金貨や銀貨に投資をすることが大切な視点です。こうした金貨や銀貨の場合、価格が飛び抜けることがあるのです。ウナとライオンシリーズは今やどの国・地域発行のものも人気を呼んでいますので、一枚一枚購入し価格上昇を期待するのもよいと思います。

<2019年にイギリスで発行されたウナとライオン銀貨2オンス(筆者蔵)>

大手コインショップで入手可能

こうした人気のあるコインをもとに投資を行うにはどうすればよいでしょうか?まずは大手コインショップで購入を検討されるとよいと思います。英語が話せる方は、現地から直接取り寄せでも構いません。ただし、入手経路によっては偽物をつかまされる可能性もあるため、無難にいかれるのであれば大手コインショップから予約注文により入手するのがよいでしょう。

なお、モダンコイン、アンティークコイン、いずれも投資対象にはなり得るものの、なんでも価格が上がるわけではありません。発行枚数はもちろんのこと、そのコインのグレード、デザインの人気度合いなどに左右されます。中には年率10%以上で上昇するものもあり、単なるコレクションだけではなく投資として十分成り立つ世界です。 個人的には、モダンコインのウナとライオンシリーズが無難だとは思うものの、さらに価格が跳ね上がっているのがアンティークコインの世界になります。日本ではまだまだ投資する方も少ないものの、世界の富裕層の中では一般的となっている金貨、銀貨投資。コインショップなどで情報を取り寄せ、価格上昇を期待する。そんな世界を垣間見てみませんか?

■筆者プロフィール
伊藤亮太(いとう・りょうた)
岐阜県大垣市出身。慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻修了。在学中にCFPを取得する。その後、証券会社にて営業、経営企画、社長秘書、投資銀行業務に携わる。2007年11月に「スキラージャパン株式会社」を設立。現在、富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。著書に『図解即戦力 金融業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)、『ゼロからはじめる!お金のしくみ見るだけノート』(宝島社)、『あなたの街でも砂金が採れる!?~令和時代の砂金採り入門~』(Amazonオンデマンド)など多数。
自身にて金貨・銀貨などコイン収集、コイン投資を実践中。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

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