マレーシア証券委員会(SC)のシャリア諮問評議会(SAC)が、暗号資産取引を許容する方針を示したことが、同委員会議長のDatuk Syed Zaid Albar氏の発言で明らかとなった。
Albar氏はInvest Malasya2020のテレビ会議パネルセッションに出演し、その中で「SACは原則として登録された暗号資産取引所での暗号資産やトークン取引を許容することを決議した」と発言。暗号資産のより大きな発展と投資を後押しする、SACによる画期的な決議だと称賛した。
マレーシアは60%以上がイスラム教徒で、オイルショックやイラン革命、国外でのマレーシア人の台頭などの背景から、国家としてイスラム教を意識した運営を求められるようになり、1983年に初のイスラム銀行が設立された。
マレーシア政府は同時にイスラム国債も発行し、民間企業も証券にあたるイスラム債の発行を徐々に開始していった。
現在、マレーシアではイスラム教の法律である「シャリア」に基づいたビジネスを行う金融機関も多数存在し、イスラム積の流通シェアは全体の69%を占めるほどに成長している。
イスラム人口の増加や中東圏の資金流用の増加が影響し、その市場規模は2021年に3兆ドル(約336兆円)に達すると見込まれている一方、暗号資産についてはこれまで明確な法が定められてこなかった。
しかし昨年12月、マレーシアはイランのHassan Rouhani大統領が米ドルの代替資産となるイスラム教国間で利用可能な暗号資産の発行を提案した際にも賛同するなど、暗号資産を無下に扱うような姿勢は見せていなかった。
今回、マレーシアのシャリア諮問委員会が暗号資産を容認する決定を下したことで、他国のイスラム金融市場でもマレーシアを参考にした暗号資産取引が広がりを見せる可能性がある。
なお、マレーシア証券委員会は暗号資産に関するサガート(税制)などについては現時点で言及していない。
引用元:Shutterstock
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