ニュース 2020.09.09

大手暗号通貨取引所バイナンスがSTOの独自ブロックチェーンでオントロジーと提携

大手暗号通貨取引所Binance(以下、バイナンス)は、同社のSTOのプロジェクトのスマートチェーンにOntology(以下、オントロジー)のONT IDフレームワークを採用することを発表しました。

STO(セキュリティトークンオファリング)とは、株式や不動産などの有価証券をトークンで発行し資金調達を行うシステム。外部の資産からその価値を付与される有価証券の役割を持つセキュリティトークンは投資として保有するという面が強くなるため、その売買はその国の金融法を遵守したものでなければなりません。

このように有価証券と同等の資産保全基準を満たさなければならないSTOのプロセスの中で必須なのが、セキュリティトークンの発行者や発行を行うプラットフォームやトークンの取引を行うプラットフォーム、投資家たちが資産の購入や販売に適した資格を有しているかの確認です。

バイナンスのスマートチェーンはオントロジーのONT IDシステムを統合することによりこのプロセスを簡素化し、資産取引をスムーズに行えるプラットフォームの構築を目指します。このシステムによりKYCなどの煩雑な手続きが省略されると、世界中の個人投資家がSTOにより参加しやすくなります。また、セキュリティトークンのバイナンスへの上場手続きもスムーズになると期待されています。

KYC(本人確認義務)Know Your Customer

金融機関・送金事業者等に求められる個人情報確認義務のこと。取引所においてはパスポートや国発行の免許証での本名確認、居住書確認が求められています。

ONT IDとは

オントロジーは信用に関する情報を管理&保存することを目的としたプロジェクトを開発・運営しており、その中で生まれたツールの1つが分散型IDフレームワークであるONT IDです。

今や世界経済がデータに依存し、いくつもの世界のテック企業が大規模なセキュリティ侵害に見舞われている中、オントロジーは消費者が自分のデータを適切に保護することがこれまで以上に重要であると定義。

ONT IDはブロックチェーンと暗号化技術を使用して個人のアイデンティティと資産を識別して接続。同社によると、このアプローチはユーザー名とパスワードが使用されている現在の時代遅れな状況に代わる、説得力のある代替手段を提供します。サービスによって異なるパスワードを覚えたりする必要はありません。

ONT IDは統合アカウントとして使用することができ、ユーザーはデータを自分の手で管理できるようになります。用途としては車のイグニッションキーなどが考えられていますが、その他にはとくに卒業証明書や成績証明書の発行などでその利便性を感じられるでしょう。これを利用すると、卒業生は取得した正確な成績を明らかにしなくても基準を満たしていることを証明することができ、個人のプライバシーがさらに強化されます。

情報元:
Binance Smart Chain Adopts Ontology Decentralized Identity Solution for Security Tokenization Offering Projects
バイナンス、オントロジーと提携 「分散型ID」活用でSTO市場に新たな一手

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

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