中南米で暗号資産(仮想通貨)決済ソリューションを提供するCryptoBuyerが、カナダを拠点としてビットコインのネットワークの研究・開発などを行うBlockstreamの衛星通信サービス「Blockstream Satellite」を介して、ベネズエラで初となるビットコインノードを接続したことがわかった。
この取り組みはCryptoBuyerが暗号資産教育事業を提供するAnibalCriptoを支援したことにより実現。これにより、ベネズエラでは衛星通信を通じてビットコインの取引を行うことが可能となった。
CryptoBuyerのCEOであるJorge Farias氏は、「私たちは23日にバレンシアの街から初めて衛星ノードを介してビットコインを取引した。大きな成果を得た瞬間だ」と喜びを表した。
また、現在のベネズエラ国内における劣悪なインターネット環境に触れ、「今回のビットコイン衛星ノードへの接続は既存のインターネット接続の問題に対応している。ユーザーがビットコインネットワークから遮断されるということはあってはならない」と続けた。
今後は首都カラカスと南部のボリバル州にも追加のノードを設置し、ベネズエラ全体をカバーすることを目標としているという。
この取り組みの肝となるBlockstream Satelliteは2017年にサービスが開始。北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、アジア地域を対象にサービスを展開し、2018年にはアジア地域も追加している。
現在、ベネズエラは経済状況が良くないこともあり暗号資産の需要が非常に高まっている。
また政府も暗号資産の利用を促進しており、石油を裏付けた独自暗号資産ペトロの発行や、インフラ整備に注力している状況だ。
その中で、既述したインターネット環境の不安定さは非常にネックな問題となっている。
この状況を改善すべく、現地暗号資産取引所Criptolagoが今年4月にテキストメッセージ(SMS)を利用した個人ユーザー向け暗号資産決済サービスの提供を開始した。
ベネズエラのマドゥロ大統領が要請し実現したもので、オフラインでペトロやビットコインなどを送れるということもあり同国での需要が期待されている。
今回の衛星通信を介した取り組みも、ベネズエラにおいて非常に高い関心が集まるのではないだろうか。
引用元:Shutterstock
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