ニュース 2020.10.12

耐性に優れた素材「CFRP」の課題を新技術で解決する「ミズホクラフト」が株式型CFを開始

カーボン複合材の製造や加工に必要となる装置の供給を行うミズホクラフト株式会社が、株式投資型クラウドファンディングサービスFUNDINNO(ファンディーノ)で2020年10月15日より募集を開始します。プロジェクト名は【鉄より強くて軽いカーボン素材「CFRP」。製造コストの課題を、国産ロケットにも採用された技術で解決する「ミズホクラフト」】で、目標募集額は25,000,000円、上限応募額は54,000,000円で、1株1万円から投資できます。集めた資金はCFRP加工製造への設備投資と人件費、研究開発費などに充てられる予定です。

CFRPとは

CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)は樹脂を炭素繊維で強化したもので、錆びない、疲労特性に優れるといった点から航空機の主翼やロケットの胴体等の材料として、主に航空産業や宇宙産業で使用されています。最近は風力発電の羽部分への導入が進んでおり、また建築資材や自動車、ドローンにも大きな需要が見込まれるなど、さまざまな業界で需要が高まっています。

具体的にどんな点で優れているかというと、例えば航空機の場合、これを使用することによって重量が大きく軽減でき、燃費の向上、運航コストの低減、長距離路線を設定しやすくなるというメリットがあります。構造の利点としては従来の金属よりも耐性に優れるため、整備コストが低減でき、また、一体成形が可能なため組立コストも抑えられます。

このように非常にメリットのあるCFRPですが、長い成形時間のために膨大なコストがかかり、量産化が難しい状況が続いています。どれだけ長いかというと、一つのパーツを成形するのに約10時間〜14時間を要している状況です。(※ミズホクラフト調査)

CFRP製造のコスト削減を実現

この問題を解決するために開発されたのが、フレキシブルヒーター(3次元ヒーター)、ホットボンダー、オートクレーブです。均一に材料を重ねながら熱加工していくという非常に手間のかかるCFRPの加工工程ですが、フレキシブルヒーターを使うことにより、特殊な形状でも密着して均一の温度で加工ができるようになります。さらにホットボンダーという温度コントローラーでフレキシブルヒーターの温度調節を行います。

ミズホクラフトが独自に開発したオートクレーブという工業用高圧釜は必要な部分のみを加熱できるため、先の2つと併用することで必要な部分だけを加工することができます。これにより、加工時間を従来の方法の約1/3の時間にまで短縮することが可能になりました。またピンポイントで効率的に加工できるため、ここでもコスト削減ができます。

ミズホクラフトはこれまでCFRPを使用した機体の「修理」に特化してきましたが、CFRPの製造にも活用できる装置を開発したことで、これからは「製造」にも注力していくとしています。ミズホクラフトの製造装置は設備投資を3,000万円〜1億円という価格にまで削減できる予定で、これが実現すれば、大手企業だけでなく中小企業もこの産業に参入しやすくなるでしょう。こういった「モノづくり日本」の再来を応援するプロジェクトに、期待を込めて投資してみるのも面白いですね。

情報元:
・鉄より強くて軽いカーボン素材「CFRP」製造コストの課題を国産ロケットに採用された技術で解決する「ミズホクラフト」株式投資型クラウドファンディングを開始
・FUNDINNOプロジェクトページ

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

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