ニュース 2020.11.05

米国証券取引委員会(SEC)、株式投資型CFによる企業の資金調達関連規制を緩和

近年話題になっている新しい投資の形、株式投資型クラウドファンディング(以下:株式投資型CF)。日本では「ファンディーノ」や「ユニコーン」などの事業者が有名です。これまで当メディアでも、株式投資型CFの案件を多く取り上げてきました。

そんな中、アメリカの米国証券取引委員会(SEC)は、企業の資金調達関連の規制を緩和すると発表しました。株式投資型CFを利用した企業の資金調達の限度額を上げるなど企業がプロジェクトに向けて、より資金集めがしやすい環境が整った形になります。

この規制緩和の必要性は先月、SECのコミッショナーで「クリプトママ」の愛称で知られるHester Peirce氏によっても主張されていました。このPierce氏は、小規模な資金調達に際する煩雑な手続きの簡略化も推奨しています。

具体的な緩和の内容は下記のとおりです。

  1. 株式投資型CFでの資金調達上限を107万ドルから500万ドルへ引き上げ
  2. Regulation AのTier2における、12か月間の証券発行額の上限を、最大5,000万ドルから7,500万ドルへ変更
  3. Regulation D Rule504における、資金調達のための証券発行額上限を、最大500万ドルから1,000万ドルへ引き上げ

※補足
米国では株式投資型CFにはRegulation Crowdfundingという規制がかけられています。中でもRegulation Aは、費用の問題でSECへの登録ができない中小企業に対して、非認定投資家からの投資を可能にするルールで、区分はTier1とTier2に分かれています。またRegulation Dは、投資家の登録免除に関する規定です。これにより特別条件をクリアせずに、何人でも投資が可能になります。

また今回のレギュレーション変更に伴い、成長を目指す中小企業にとって追い風となるルール改正もありました。

  1. 企業と投資家が密にコミュニケーションが取れるよう、規制を平易化
  2. 提出書類の軽減や適格投資家の投資制限を定める規制を緩和

これにより企業側は、自社製品の宣伝やマーケット調査が以前より行いやすくなります。

アメリカでは制度が整った2016年以降、株式投資型CFで多くの企業が資金調達を達成してきました。日本でもそれに倣うように、2017年以降に国内初の株式投資型CFサービスが始まり、注目を集めてきました。

今回のアメリカでの規制緩和についても、日本でも将来的に同じような潮流が来るかもしれませんね。

情報元:
米SEC、企業の資金調達関連で規制緩和
米国で活発化する株主投資型クラウドファンディング

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

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